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容疑者Xの献身 [映画関連]

2008年 西谷弘監督

原作未読、ドラマのファン。その方が都合がいいかもしれない。だいたい映画化と言うのは原作のイメージとは違うものだし、ドラマは映画のための前座として作られたものだから。キャストも同じだし。


すごく面白くなる設定だ。さすが東野圭吾。
ガリレオとまであだ名される優秀な物理学者の主人公・湯川。 大学教授だが警察の捜査にも協力している。そして事件の容疑者となるのは湯川の学生時代の友人・石神。湯川が天才と認める数学者。二人の戦いはハイレベルな頭脳戦になるはずで、互いに友人同士で敵同士という葛藤もある。一緒に数学を語り合った仲なのに、片や気鋭の花形教授(しかも超イケメン)、片や風采の上がらない、夢も希望もない人生という対比。しかも捜査によって浮かび上がってくる石神の行動はとてもやりきれない切ないものなのだ。これは面白い。

しかしこの映画がそこを十分に面白く描いたかと言うと、物足りない。トリックも捜査をかく乱するという点では非常に高度なのに、捜査陣の行き詰まり感が不十分なので、大したことがないように見えてしまう。しかも親切すぎる伏線のせいで勘のいい観客なら途中でわかってしまう。
ドラマ版では湯川が解くトリックは理系のものが多いため科学好き心も刺激してくれるのだけどそういうのもないし。

石神についてはまったく不足。堤真一の苦悩の表情だけで済ませちゃいけない。石神という人物の背景についてしっかり描かないと、彼が人生に絶望したことに説得力がないし、この絶望がないと彼の行動すべてが絵空事になってしまう。

そして石神は本シリーズのスターである湯川に立ちはだかる最大のライバルであるはずなのに、そこまでの凄味もなし。全編通して可哀想。雪山ではいい顔をしていたけど。

湯川の方も石神に対してわずかに嫉妬があったりしてもいいと思うのだけど....湯川もあまり人間味がないままだ。

ストーリィは十分良く出来ていると思うし、丁寧に映画化されていると思うが、なんだか表層をなぞった感じがして胸に迫るものがなく、また見せ方のツボもことごとく外しているような気がする。


ま、しかし湯川は福山雅治の格好よさを堪能できるはまり役で、本作でも魅力的に撮れているのでそこを楽しむにはいいと思う。私もドラマシリーズが終わってさびしかったけれど、なじみの面々にまた会えたのはちょっと嬉しかった。
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コメント 4

Sho

原作も未読、ドラマも未見です。
理数系の頭のいい男の人は皆かっこよく見えるので、
まして福山雅治や堤真一が演じるならば、どんなに見ていてドキドキするだろうと思ったのですが・・ 2人の葛藤の部分も、丁寧に描かれているのかと思っていました。でもやっぱり見てみたいです。
by Sho (2009-09-01 20:59) 

satoco

もしお時間があれば、できたらドラマ版をレンタルDVDか何かでご覧になってから映画を見た方が楽しめそうな気がします。脇役の背景などがわからないとぴんと来ない部分も大きいです。私はドラマ版の初回が一番好きです。
この映画の堤真一は頭のいい格好よさよりも純愛の方ばかりクローズアップされている気がします。
by satoco (2009-09-02 02:43) 

ken

やはりドラマ版を観ている人と、そうでない僕とでは受け止め方が違いますね。
確かに湯川と石神の対決図式は弱かったと思いますけど。
僕はこのあとに「レッド・ドラゴン」を観たので、同じような設定でこうも違うものかと
いろんな意味で感心してしまいましたw
by ken (2009-12-01 01:25) 

satoco

堤真一自体は毎度すごくいいのですが、いくらなんでも堤真一の個人技に頼りすぎだろうと思ってしまいました。
「レッド・ドラゴン」いいですね~。切ないです。
nice!ありがとうございます。
by satoco (2009-12-01 12:32) 

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容疑者Xの献身(ナニミル?~DVD日記~ 2009-12-01 01:26)

「容疑者Xの献身」(2008年・日本) 監督:西谷弘 脚本:福田靖 いろんなことに合点がいった1本。  僕はテレビドラマをほとんど観ないので(と、言いつつ昨日から始まったNHKの「坂の上の雲」は観た。金かかってんなあ、と思いつつ来週も観る予定)、テレビからスクリーンへ進出した作品には基本…[続く]

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